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「恵みが満ちあふれ」

  • mkbible
  • 2023年3月5日
  • 読了時間: 4分

説教ノート No.13                      2023.3.5 

聖書箇所 ローマ人への手紙5章12節~21節


序 論

 パウロはこれまで人間の罪の事実、義なる神の裁き、神の恵みによる信仰義認について丁寧に解き明かし、信仰の基本教理について教えを展開してきた。続いて、これからさらに聖化、栄化の教理とその祝福についてが筆を進めることになるが、その転移部であるこの箇所で、人間の罪が始祖アダムとの連帯性にあり、キリストがその罪の根源から私たちを救って下さることが明からにされる。そこには恵みが満ちあふれている。


本論1 罪の連帯性 (5:12-14)

 パウロは、これまで一貫して、全ての者が例外なく罪人であると「罪の普遍性」について語ってきた。ここでは、さらに罪の根源について掘り下げてその説明がされている。それは「ちょうどひとりの人によって罪が世界に入り・・」と記されているように、始祖アダムの犯した罪が全人類の罪の原因となっているということである。ちょうど波紋が中心から限りなく外側に広がるように、人類の代表として立てられた始祖アダムの罪とその性質が、全ての人を包含して支配してきたと説明されるのである。もちろん罪は律法を基準にして初めて規定されるが、律法以前の者も「死ぬ」という事実をもって全てが罪の中にあったと証明される。アダムの罪は彼に死をもたらしただけなく、全ての人に「罪の支配」とその結果としての「死」をもたらしたのである。そけはコロナウイルスが世界的パンデミックをもたらしたように、一人の感染が全世界の人々に死の恐怖へと追いやり、そのいのちを奪い去るのと同じである。私たちは、この罪の本質にある普遍性、連帯性をしっかりと見極めなければならない。個人レベルの当事者意識を持ち、人類レベルで罪からの解放を祈りとりなす者となりたい。


本論2   恵みの拡大 (5:15-19)

 次にパウロは、始祖アダムに対比してイエス・キリストによる救いの恵みについて語っている。アダムは全ての人に罪と死をもたらしたが、キリストは義といのちを信じる全ての者に与えるということである。人間は自らの努力においてアダムとの連帯関係にある罪の性質を断ち切り、死の支配から自分を解放することはできない。しかし、第二のアダムとしてのキリストが神に対してまったき従順、まったき義、まったき善をささげたことによって、すべての人がキリストの完全な義に包含されることになったのである。そして、アダムの罪が死の原因であったように、キリストの完全な義は人間の究極の敵である死を征服し、十字架を信じる者に永遠のいのちを与えるという神の救いのロジック論理が鮮明に見えてくると言えよう。繰り返しての強調になるが、これは神の側による恵み以外のなにものでもない。以上を図式化すると、アダム:罪過→裁き→死の支配、第二のアダムキリスト:恵み→義認→いのちの支配となる。極めて単純化した構図であるが、ここには壮大な神の救いの計画と大きな犠牲があったことを見落としてはならない。そして、神の愛の深遠さ、絶大さを覚えて深く感動するものでありたい。私たちが信仰によってこの恵みに入れられていることを感謝しよう。ハレルヤ。


本論3 死から永遠のいのちへ (5:20-21)

 最後に、この箇所は12節以下の結論部分である。人間は律法を持ちこれを行うことで神の前に敬虔な者となることはできない。また律法に向き合う生き方に真摯であろうとすればなお罪に敏感になるだけである。しかし、この前提に立ってパウロは「罪の増し加わるところには、恵みも満ちあふれました。」と語っている。これはもちろん罪を是認する言葉ではない。罪と恵みは相矛盾するようであるが、律法が人間に罪の自覚を与え、その罪の自覚がキリストの救いへ向かわせる働きをするという意味で、そこに恵みが満ちあふれていると逆説的強調表現をしたのである。人は誰も自分の罪をはっきり自覚することなしに福音を受け入れることはできない。それほど罪の支配下にある自我は頑なで神に背を向け、自分が罪人であることを認めにくいものである。しかし、全ての人に向けられているこの恵みは、悔い改めて信じる者には無償で与えられ、死の支配から永遠のいのちへと移され、生かされることを再確認して感謝しようではないか。私たちの人生はもはや死をもって終わるものではない。永遠のいのちを賜物としていただき、復活の希望を仰いで聖化の途上を一歩づつ進むことが出来るのである。


結 論

 かつて私たちは自分の罪の現実を認めることもなく、始祖アダムから繋がる罪の連帯性をも知らず、死の支配下に置かれている者であった。しかし、神の御言葉の光に照らし出されて自分が罪人であることを知らされ、悔い改めへと導かれ、キリストの十字架を仰ぐものとされたことを感謝しようではないか。神の御名を賛美し、救いの事実に感動し、恵みに満ちあふれた信仰生活を謳歌しよう。ハレルヤ。ハレルヤ。

 

御言葉に対する応答の祈り

①アダムの罪との連帯性を認め悔い改めよう。

②死からいのちの支配に入れられたことを感謝しよう。 

 

次回説教

 聖書箇所 ローマ6:1~11

 説教題 「新しき歩みを」


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