「慰めの業」
- mkbible
- 2022年2月6日
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説教ノート No.35 2022.2.6
聖書箇所 使徒の働き20章1節~12節
■序 論
Ⅱテモテ3:12には「キリスト・イエスにあって敬虔に生きようと願う者はみな、迫害を受けます。」と明言されている。確かに私たちの信仰生活において、特に信仰告白を明らかにし、福音を語ろうとする時には、様々な摩擦や抵抗を受けることがある。しかし、自分が敬虔に生きようとする動機が心にあるなら、その困難や試練を恐れて委縮してはならない。そこには必ず神の慰めと励ましがあることを忘れてはならない。
■本論1 諸教会への慰め (20:1-2)
エペソでの騒動が収まると、パウロは計画どおり、先ずはマケドニアに向けて急いで発つことにした。それは、彼が最終的に目指す方向は世界の都ローマであったが、その前に大飢饉で窮乏するエルサレム教会を助けるためにマケドニアの諸教会を再訪問し、彼らの愛の援助献金を受け取り、一刻も早く現地に届けなければならなかったからである。パウロの愛の計画と言えよう。エペソ出発からエーゲ海西対岸にあるマケドニア州ピリピ、テサロニケ、ベレヤ巡回について詳細な記録はないが、パウロが諸教会の兄弟たちを励ましたことが記されている。注目すべきは1節、2節にある「励ます」には「慰める」という意味が含まれていることで、彼は御国で再会する時まで地上で最後の別れになることを知って、キリストに希望があることを告げ、その真の慰めと励ましを兄弟姉妹たちと共に確認したのである。自らの道を前に向かって歩むパウロの雄姿を見よう。そして、私たちも神の慰めと励ましを得て自分自身の道をひたすら目標に向かって前進するものでありたい。
■本論2 同労者の慰め (20:3-6)
次に、パウロはマケドニアからさらにコリントを訪れている。これはコリント教会にあった信仰の本質に関わる教理や信仰生活の倫理問題等々、深刻な課題を解決しようとする牧会的訪問であった。また三か月間のコリント滞在において「ローマ人への手紙」をも執筆し、短いが重要な時を過ごしたと言えよう。そして、パウロはこの地での務めを果した後、陰謀の手が向けられる中を復路トロアスにまで戻り、そこでソパテロたち七人と合流することになる。彼らはマケドニアの諸教会の代表者で、パウロに同行してエルサレムを訪れ援助献金を手渡そうとしたのである。ここにも同労者による愛の慰めがある。試練の中で一人苦しみ戦っている時、同じ立場に立って苦しみを共にし、出来る限りの協力をしてくれる人の存在は大きな励ましであり力である。これこそ教会の交わり「コイノニア(交わり・共有する)」の姿である。私たちもキリストの苦しみゆえに互いの重荷を担い合えるようになりたい。この時代、豊かさと便利さを享受して生活できる社会では、人の生き方には個人主義、他者への無関心、不干渉の傾向が強くなる。だからこそ教会エクレシアの本質にある「コイノニア」とそこにある「慰め」を大切にして互いに励まし合いたいものである。
■本論3 真の慰め-復活の希望- (20:7-12)
ここトロアスの地は、パウロがマケドニア宣教の導きを得た記念すべき地である。そこでパウロは一週間滞在して兄弟たちと共に礼拝を守り、最後の晩には二度と会えない別れとなることを知ってか人々と夜遅くまで語らい説教を続けた。ここで笑うに笑えない出来事が起こる。パウロの話を聞いていた青年ユテコが居眠りをして三階から墜落し即死したのである。しかし、この悲惨の中に奇跡が起こる。パウロが死んだ青年を抱きかかえて「心配することはない。まだいのちがあります。」と言うと、驚くことに彼が息を吹き返した。人々はひとからならず慰められたと状況説明があるが、人間にとって死の滅びと恐怖から解放されることほど大きな慰めはない。またキリストの復活のゆえに、信ずる者は罪とその報いである死から救われると聖書は約束している。ユテコ事件はそれが事実であることを象徴するものであった。私たちもユテコと同じ弱さがあり、信仰転落の危機に彷徨うこともある。しかし、主イエスは「まだいのちがあります。」と言って抱き抱えて下さる。
■結 論
「慰め」の語源は「かたわらに呼ぶ」である。キリストは私たちをかたわらに呼び寄せ、抱き抱えるようにして慰めて下さる。十字架によって罪を赦し、復活で死への勝利を宣言されたこの方こそ真の慰め主と言えよう。本当の慰めは主イエスを仰ぐことから始まる。私たちも試練や困難の中に立たされ、孤軍奮闘して疲れ果てる時に、主イエスの招きの声を聴いて慰めと励ましを得よう。ハレルヤ。
■御言葉に対する応答の祈り
①交わりの中に「慰め」の実を結べるように。
②キリストにある真の慰めを感謝しよう。
■次回説教
聖書箇所 使徒の働き20:13~38
説教題 「神にゆだねて」
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