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「最も大切なこと」

  • 6月1日
  • 読了時間: 4分

説教ノート No.33                    2026.5.31 



聖書箇所 コリント人への手紙 第一 15章1~11節


序 論

 1れまで御霊の賜物について語ってきたパウロは、この15章において信仰の基盤である「福音」そのものについて混乱の渦中にあるコリント教会に再確認させようとして筆を進めている。地上の教会は時として組織疲労し、個人の信仰も揺らぐことがある。聖化の途上にあって避けられないことでもろう。だからこそ私たちは常に変わることのない基本に戻り、土台となるところを堅くするものでありたい。


本論1 福音によって (15:1-2)

 先ずパウロは、コリント教会に「私があなたがたに宣べ伝えた福音を、改めて知らせます。」(15:1)と呼びかけている。しかも3節ではこの「福音」最も大切なこととして位置付けていることに注目しよう。パウロは「改めて知らせる」と記しているが、コリント教会が最初に聞いた「福音」と些かも異なるものではなく、既に彼らが信じてきたものである。「福音」「良き知らせ」であり、それは決して変わることのない神の側からの知らせである。そして、この古くて新しい福音とコリント教会との関係を次のように説明している。第一に福音は、教会と信徒がそれによって立っている揺るがない土台である。不安定で不確実性のこの世界にあって、「福音」はそれを信じる者をあらゆる状況らおいても堅く立たせる拠り所である。第二に福音は、信じる者が救われる唯一の根拠である。福音の言葉をしっかり握る者に、罪の赦しと、死への勝利、天国と復活の希望を神が与えて下さるのである。どんなに時代が変わり価値観が多様化しても、私たちがこの福音によって立ち、この福音によって救われていることをしっかりと握り続けようではないか。


本論2 福音の内容 ― 十字架と復活 ― (15:3-8)

 次にパウロは、最も大切なこととして、主イエスの十字架と復活の事実を語っている。これが「福音」の内容そのものである。キリストの十字架の死は個人的な死ではない。3節に「聖書に書いてあるとおり」とあるように、旧約聖書全体を通して預言された「罪人の救いのための贖いの死」である。しかし、それは死で終わりではない。パウロははっきりと「聖書に書いてあるとおりに、三日目によみがえられた」と断言し、ケファ(ペテロ)をはじめ多くの証人たちを列挙してキリストの復活の事実を証ししているのである。そして、この復活こそ十字架の救いが確かであること保証し、人間にとって最大の敵である「死」に対する完全な勝利の根拠となるのである。しかも「復活」は単なる過去の事実ではなく、現在においても主イエスが生きて働かれ、信ずる者たちを、そして、教会を生かして下さり、祝福下さることを大いに感謝するものでありたい。私たちは十字架と復活の福音を旗印とし掲げ、世の光、地の塩として生きる者となろう。 


本論3  福音のために(15:9-11)

 最後にパウロは、福音の前にある自分自身について三つのことを語っている。第一は「月足らずで生まれた者」(15:8)「最も小さい者」(15:9)。パウロという固有名詞はラテン語で「小さい者」という意味があり、彼の神と人の前における徹底した謙遜を示していると言えよう。第二は神の恵みによる自己理解である。彼は「神の恵みによって、私は今の私になりました。」(15:10)と語り、自分の救い、生き方、存在が神の恵みを基盤にしていると告白している。ここに彼の感謝と喜びに満ちた信仰生活の力の源泉があると言えよう。第三は福音を宣べ伝えるという使命感である。先に救いの恵みにあずかり、福音の宣教のためにキリストの使徒とされた事実をパウロは自身の誇りとし、そのために自分の全てを献げ

献身したのである。「福音によって」生かされているゆえに「福音のために」生きる。これこそキリストを信じ告白する者の生き方ではなかろうか。私たちもその様にして信仰生涯を歩みたいものである。


結 論

 パウロは、混乱するコリント教会の霊的復興に必要な最も大切なことは福音の原点に戻ることであると強調した。それは即ち主イエスの十字架と復活を握ることである。この中心が鮮明になる時、信仰の視点は肉から霊に移り、その視野は広げられ、キリストの平和と愛が結実していくと言えよう。私たちも、私たちに与えられている「最も大切なもこと」を握り、感謝と確信を抱いて生きて行こうではないか。

御言葉に対する応答の祈り

①十字架と復活の信仰告白を鮮明にできるように。

②恵みに感謝し福音の証しができるように。

次回説教

 聖書箇所 Ⅰコリント15:12~28

 説教題  復活の事実の意味」 


 
 
 

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