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「神の国を相続する」

  • mkbible
  • 5月31日
  • 読了時間: 4分

説教ノート No.15                     2025.6.1


聖書箇所 コリント人への手紙第一 6章9~20節


序 論

 分裂、不品行そして詐欺行為と訴訟の問題を抱えたコリント教会は、「すでにあなたがたの敗北です。」と言われるように誰の目にも絶望的な状態であった。しかし、パウロはここから「教会の聖化」について論じ、キリストの教会の希望を語る。罪赦された罪人の群れである地上の教会は不完全でも、悔い改めて救いの原則と恵みに立ちかえる時、教会はいのちを回復し聖化の途上を成長・成熟へと向かうのである。


本論1 神の国を相続する (6:9-11)

 先ずパウロは、コリント教会の人々に向け「正しくない者は神の国を相続できません。」と明言している。これが彼の論旨の出発点と言えよう。この「正しさ」とはどの様な意味であろうか。ポイントは、一義的には神との関係において「義」とされることで、行為としての正しさは二義的なことである。つまり信仰義認の経験無しには誰も天国に行くことは出来ないという意味である。そして、このことを確認した上で、不品行に始まる10の罪の行いを列挙し、悔い改めと信仰を拒否し、あるいは離れて罪の行為にふける者もまた同様であることを指摘したのである。しかし、以前はそのような者であっても、その人自身がキリストの御名を信じ、悔い改めて聖霊の支配に自分を委ねるとき、その者は「洗われ」「聖なる者とされ」「義と認められた」者と変えられるのである。これをキリストによる新生と言い、聖霊なる神の力によって成される御業と言えよう。これが聖化の途上において常に確認すべき教理の要である。


本論2 自由における判断 (6:12-14)

 次にパウロは、キリスト者の自由と責任という大切な倫理観を語っている。上記の「正しさ」について「行為」「神との関係」を混同してしまうと、品行方正を建前に信仰生活は規制と管理の中に押し込められると思いやすい。しかし、これは根本から誤った理解である。パウロは、律法から解放された経験をすべてのことが許されたことですと語り、その上で「すべてが益になるわけではありません」信仰による判断と選択が求められることを指摘している。これこそ私たちが謳歌すべきキリスト者の自由の大前提である。ところがコリント教会の逸脱者は、本来全てが自由であるなら食欲に従って何を食しても許され、性欲を満たすためにはどんな関係を持ってもかまわないと主張したのである。言うまでもなく自分の思いを正当化するご都合主義の解釈でしかない。私たちは、信仰によって復活の希望に生きている自覚とその喜びを見失うと、放縦へと陥りやすい弱さを認めて、いよいよキリストを仰ぐ者となりたい。


本論3  神の栄光を現す聖霊の宮 (6:15-20)

 最後に、パウロはコリント教会をはじめ全てのキリスト者が「キリストのからだの一部」であると説明する。(参:同12:27)聖いキリストのからだに結び合わされている自分の肉体を、欲望のおもむくまま不品行にふけることは自分自身を傷つけ汚すことであり、悲しむべき愚かなことである。さらにパウロはキリスト者のからだ(全存在)が、その人の所有物ではなくキリストが内在される「聖霊の宮」であることを強調している。この自覚は私たちに大きな信仰の覚醒を与えるものである。そらには「自分のからだをもって、神の栄光を現しなさい」という神からのチャレンジに、私たちは全身全霊をもって応えていきたい。それでは私たちに具体的に何が出来るであろうか。それは決して大げさなことではない。救いの恵みに感動して喜び、賛美をもって礼拝を捧げ、キリストを証しすることに尽きると言えよう。そして、それへの誠実さを貫くものでありたい。


結 論

 私たちは信仰義認の恵みによって、神から罪赦され義とされた「正しい」者として認められていることを心から感謝したい。そして、恵みを当然として放縦に陥ることなく、ひたすら礼拝の姿勢を整え、神の栄光を現すものでありたい。これこそ神のかたちに似せて造られた人間の生きる本来的目的である。私たちはこの特権を自覚しながら神の国の相続者として生きていこう。ハレルヤ。

御言葉に対する応答の祈り

①不品行を離れ、キリストに結ばれるように。 

②聖霊の宮としての自覚をもって生きよう。

次回説教

 聖書箇所 Ⅰコリント7:1~7

 説教題  結婚の奥義と秩序」 


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