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「神の奥義の管理者」

  • mkbible
  • 2月1日
  • 読了時間: 4分

説教ノート No.9                       2025.2.2

聖書箇所 コリント人への手紙第一4章1節~5節


序 論

 これまでパウロは、コリント教会の分裂・分派の問題を指摘し、自己中心を悔い改めてキリストを教会の中心にするよう訴え続けて来た。さらに彼は、この4章に入って教会における自分自身の立場を明かにしてキリスト者の自己認識のあり方を教えようとしている。私たちにとって自分が何者であるのかという確認作業、つまりアイデンティティの確認は大切な信仰のテーマである。自分自身にも問いかけてみよう。


本論1 しもべ、管理者とは (4:1)

 パウロは、コリント教会の兄姉に対して自分やアポロが党派や分派の指導者ではなく、キリストの教会に仕える者として受け止められ理解されることを強く願っている。そして、自分が何者であるかについて次の二つの言葉でそれを表現していることに注目しよう。第一は「キリストのしもべ」。この「しもべ」は三段構造の大型ガリヨン船の一番船底で櫓を漕ぐ奴隷を意味しており、パウロのアイデンティティを的確に表現する言葉である。つまり天国へ導く水先案内人は主イエスであり、彼は自分がその前進のために最も低い所でひたすら労する神のしもべであると語ったのである。第二は「神の奥義の管理者」。管理者とは「家礼・執事」で、家の財産管理を司り、奴隷を監督し、物資の支給・配分を行い、一家全体を切り盛りする者のことである。パウロは、神が計画された救いの御業を指し示し、伝達することを委ねられた「管理者」であると自己紹介したのである。私たちも同様であることを覚えよう。


本論2 しもべ、管理者に求められるもの (4:2)

 次に、パウロは「しもべ」「管理者」に求められるそれに相応しい資質や条件について教えている。船の推進力を得るために櫓を漕ぐ「しもべ」は、必ず船底に下らなければならない。しかも単独では船を進めることは出来ず、皆が協力し呼吸を合わせてはじめて前進するのである。同様に、私たちも現代のノアの箱舟である「教会」に仕える「しもべ」として、力を合わせ、心を一つにして信仰の櫓を漕ぎ、沖へ向かって進んで行きたいものである。続いて「管理者」は何より主人に信頼される者でなければならない。そのために最も必要なのは「忠実」である。忠実で思慮深い管理人は、主人の心を知り、主人の意図を着実に実行していく。同様に私たちも神の奥義の管理者として期待されていることを意識したいものである。そのために、まず自分自身が救いの事実を確信し、聖書を通して内容を理解し、それを着実に伝達(伝道・証し)出来るよう、忠実なしもべとし成長・成熟していきたいものである。


本論3  すべてが神の前に立つ (4:3-5)

 最後に、パウロは「神の奥義の管理者」であることの神との関係を論じている。それは、彼が管理者として「忠実」であるか否かを最終的に判断するのは、コリント教会の人々ではなく、神ご自身だということである。コリント教会の中には、パウロをほめたり、逆に使徒ではないと職制を否定しけなす者がいたりしたが、それらはいずれも人間の判断であって無意味な評価にすぎない。私たちも表面的な好き嫌いで評価する人の言葉を恐れ、それに振り回されてはならない。教会の中心点が神との関係から人間の力関係にすり替えられると人気取りの場に一変することを、コリント教会を反面教師にして警戒しなければならない。そして、パウロは全ての事柄について最終的に「さばき」(神の評価、報い)をなさるのは神ご自身であることを強調している。それゆえ、主が来られる再臨の時まで何についても自分でさき走ったさばきをすることなく、信仰の良心に忠実な生き方をするべしと勧めているのである。やがて真実を明らかにされる主から、私たちも「よくやった忠実なしもべよ」と賞賛される時を待ち望みたい。


結 論

 私たちは、自分自身がキリストの福音を委ねられた「神の奥義の管理者」「しもべ」であることを自覚しよう。そして、その上で主の信頼と委託に応えられるよう、神に対しても、自分の良心に対しても忠実な生き方をしていきたいものである。キリストは私たちを「地の塩」「世の光」として呼び、存在意義を与えていて下さる。ゆえに、たとえ地味ではあっても着実な信仰の歩みを重ね、主の栄光を現わそう。

御言葉に対する応答の祈り

①主の期待と委託に応えられるよう祈ろう。

②人の評価を恐れず神への忠実に生きよう。             

次回説教

 聖書箇所 Ⅰコリント4:6~13

 説教題  キリストのゆえに」 


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