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「結婚の奥義と秩序」

  • mkbible
  • 3 日前
  • 読了時間: 4分

説教ノート No.16                     2025.6.8


聖書箇所 コリント人への手紙第一 7章1~7節


序 論

 これまでパウロはコリント教会内部にあった「不品行」や「不正」等の問題を指摘し、悔い改めを促して教会の聖化について論じてきた。この7章では聖さの回復を願い「結婚」と「独身」の意味を解き明かして教えている。ここに結婚の奥義と秩序について確認しつつ、「自分のからだをもって、神の栄光を現す」という聖書の教える倫理観に立脚した生き方をしたいものである。


本論1 結婚の目的 (7:1-2)

 7章に入り段落冒頭で、パウロは「男が女に触れないのは良いことだ」という教会内の極端な主張を引き合いに出して論じ始めている。これはコリント教会の放縦主義者に反対する禁欲主義者たちが自らの主張をパウロに書き送っており、彼はその主張を一旦受け止めながら2節以下でその真意を解きあかすのである。パウロが正当な結婚における愛情表現や生殖行為としての性的関係を否定し、独身を絶対善とする極端な禁欲主義の提唱者でないことは言うまでもない。続いてパウロは「淫らな行いを避けるため」に男女が結婚することを勧めている。もちろんこれは結婚本来の目的を表す言葉ではなく、禁欲主義の反動の危険を教え、夫婦となることで不品行の罪から互いを守ることを強調する言葉と言えよう。結婚本来の目的は創世記2章18、24節に教えられているように、二人が主にあって一つとされることで互いに助け合い、神の栄光を表していくことである。


本論2 結婚の秩序 (7:3-5)

 次にパウロは、結婚生活における夫と妻の「義務」「権利」について論じ、それが同等の関係にあることを教える。さらにそれを夫婦の性的関係に適用させ、夫と妻は自分のからだについて自らがその主人ではないので、相手に禁欲を強要してその権利を奪うことなく、自分の心とからだを開いて伴侶への義務を果たすよう強調しているのである。性的な交わりは結婚関係において解放され豊かにされ夫婦の祝福となる。私たちはこの祝福を極端な禁欲主義や放縦の肉欲快楽主義に翻弄されることなく、自らを見失うことがないよう祈りたい。また神の祝福を自ら捨て去ることがないよう、相手の権利を奪うことがないよう自分自身を見守る必要がある。これを怠ると罪の罠に陥ってしまう。加えてパウロは、本来一体であり生活を共にする夫婦が祈りに専念するために一時的に離れることは容認しているが、夫婦の一体性にサタンが付け込むスキを決して与えてはならない。


本論3  みな神の栄光のために (7:6-7)

 最後に、パウロはこれまでの教えを「命令」ではなく「譲歩(容認)であると言葉を選んでまとめている。「結婚」することや「独身」であることが絶対ではなく、最終的には主にあるそれぞれ生き方、人生のあり方を大切にすべきであり、「結婚」はその選択の一つであることを指摘しているのである。また「私が願うのは、すべての人が私のように独身であることです。」(7:7)と続けているが、これも独身主義を奨励しての言葉ではない、パウロ自身が生涯をかけて神への献身を貫いたように、全てのキリスト者が自身に与えられている賜物を用いて神への奉仕に生きてもらいたいとの願いを込めての言葉である。私たちの生き方にはそれぞれオリジナルな神の栄光の表し方がある。私たちは自分に与えられている神の賜物を感謝し、最大限に神の栄光を表すことができるよう祈り求めていきたい。パウロの「私の願いは、・・・生きるにしても死ぬにしても、私の身によってキリストがあがめられることです。」(ピリピ1:20)との言葉が心に迫って来る。


結 論

 結婚の尊厳は「一つにされる」ことである。そして、教会がキリストの花嫁として主と一つとされている祝福と特権を感謝しよう。コリント教会はそれを捨て去ったことに無自覚のまま混乱し、教会のいのちを失っていた。その回復を願って筆を走らせたパウロの思いを私たちの心に重ねて、私たちが形づくるエクレシア信仰共同体に教会の聖化ホーリネスを結実していきたい。

御言葉に対する応答の祈り

①各々の生き方が神の栄光につながるように。

②既婚者相互の愛が主にあって深められるように。

次回説教

 聖書箇所 Ⅰコリント7:8~16

 説教題  神に聖められて」 


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